インプラント治療を考えている方にとって
歯科医院選び、医師選びはとても重要です。
私は杉並区の歯科カウンセリングを10年以上やっていますが、悩みをもった人は必ず 「では私はどこの歯医者に行ったらいいのですか?」 「どこの歯医者がいい歯医者ですか?」と聞きます。どの歯科医院がいいかは向き不向きがあるので確実な答えはありませんが、インプラント治療に限ってとすると、幾らかの目安は指示できます。
1、現状
まず、インプラント治療がどの程度一般的になされているかです。
2006年の統計では、インプラントを年間20本以上埋入している歯科医院は東京都内で6%しかありません。全国的にはさらに少ない数字になります。
ここで1つの問題が生じていると思われます。
もし患者さんがインプラントを行っていない歯科医院に行って、「私はインプラントにしたいのですけど」 とインプラント診療を希望された場合、その歯科医院の先生が「私の所ではインプラントを扱っていないからどこか、扱っている所に行きなさい」
と言ってくれる先生である時と、「あなたはインプラントに向いていないし、インプラント怖い治療だから、うちで入れ歯にしましょう」 と言ってしまう時がある事です。
また、6%の歯科医院で現在のインプラント治療の全てが行われているわけではありません。
現在のインプラント治療は、大変優れており日に日に進化しています。そのほとんどのインプラント治療を身に着けている歯科医師は、その6%の中のさらに数パーセントしかいません。その為、インプラントを扱っている歯科医院に行ったにもかかわらず、「あなたのこの部分は、インプラントで治療できますが、この部分はインプラントできませんねえ」
と言われてしまうことがあります。
しかし、「この部分はインプラントできませんねえ」 といわれた部分でも、実はインプラント専門医に行くとインプラントができるのです。私は全身疾患を持った患者さんでもないかぎり、インプラントを断ったことはありません。
つまり現状では歯科医院によってかなり差がある事を知っておく事が重要なのです。
2.自分の口の状態はインプラントに向いているか?
もし、あなたの口の中の状態がインプラントをする上で高度な技術を要するような時、あなたはインプラントの最高の技術を持った所へ通う事をすすめます。でも、あなたの口の中の状態がインプラントに向いており、イージーにインプラント治療をすることができる場合、窓口は広くなるでしょう。通院しやすいところを選ぶことができます。
それでは、あなたの口の中の状態がインプラントに向いているかどうかですが、これははっきり言ってお口の中を検査する以外にはありません。ただ、比較的どういう場合が上級テクニックを要求されているかを教えることができます。
- 前歯
これは審美的な仕上がりにしなければならず、上級者にやってもらう必要があります。
- 上の顎の臼歯
これは骨がうすい人が大変多く、サイナスを上げるという上級テクニックが必要です。
- 多くの歯がない場合
これも正しい咬み合わせを作っていく事が必要で、上級者にやってもらう必要があります。
- 歯を抜いて長く放置してしまい顎のどてがやせている場合
これは多くのケースで骨を増大させる必要があり、困難なことが多いです。
a〜d の人は、できれば最高のレベルのテクニックをもっている先生に診てもらいたいものです。ただ、それ以外にも難しいケースもあるので、あくまでも目安として下さい。実際の所、診察を受けなければ難しい症例かどうかはわからないのだということです。
ここで1つ心配な事は、症例数をこなしていない経験の浅い先生は、経験のある先生と比べ、本当は難しい症例であるのにそれに気づかず引き受けてしまうケースがある事です。「こんなはずじゃなかった」と患者と術者両方が思ってしまうという悲惨な事に絶対ならない為には、最初から経験ある先生に診てもらう事が確実かもしれません。
3.腕だけとは限りません
私の所には、電話でインプラントの相談をしたり、実際に来院されて相談される方々も多くいます。それは相談だけのケースもあり、相談後私が診るケースもあり、まちまちです。
その中には、前医とのトラブルで不安をかかえて私の所へやってくる患者さんもいます。
前医と契約をして、インプラント埋入までしたのに
「その先生の言っている事がくるくる変わる」
「始める前と大きく診療内容が違ってきて納得がいかない」
などと不満を話してくれます。
その中でも、「患者は、弱い立場なので先生に強く言えないのです」 という言葉は胸にしみいる様な言葉でした。どんなに一流の腕でも、患者さんが弱い立場であることを考えてくれる歯科医師でなければいけません。そのような歯科医師にめぐり会えるコツはわかりませんが、まず話をしてみる事で何かを感じとることができるかもしれません。
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