フラップレステクニック(メスを使わず糸で縫う事もない手術法)
通常インプラント手術はメスで歯肉を切開し、骨を露出した後、ドリルにて穴を開けてインプラントを埋入します。しかしこのフラップレステクニックは、メスを使わずほんの小さな穴を開けて手術を行います。歯肉のダメージを通常の1/10程度といっていいでしょう。もちろん歯肉を縫い合わすという作業もありません。切ったり縫ったりしないため手術時間も大変短く術後の腫れや痛みも非常に少ないのです。
フラップレステクニックは歯肉の上から骨を見ずに行われるものなので、術者には熟練が必要です。経験の浅い術者が安易に行うことは事故のもとです。このフラップレステクニックは誰にでも必ずできるわけではありませんが、私のクリニックではフラップレス手術を行っており、多くの患者さんがこの手術を受けています。
●フラップレステクニック症例
【症例1】
Aさんが初めて来院された時、緊張のあまりまるで息をしていないかのようでした。思いつめ悩んだあげく、当院を来院された事はすぐ分かりました。Aさんは多くを私に言う事はできず、抜歯の治療を希望しました。Aさんはまずボロボロの歯を抜かなければならないのです。緊張の時間を終え、抜歯が終わるとAさんの表情は急に明るくなりました。抜歯の治療が全く痛くなかったからです。
Aさんは内に秘めた事を言いました。
インプラント治療の希望でした。Aさんは、インプラント治療は全く初めてのものだった為、こわがりのAさんにとってはハードルの高いものでしたが、入れ歯がイヤであるAさんには唯一の選択肢でした。
Aさんの手術は条件が良かった為、フラップレステクニック+オステオプッシングで麻酔後歯肉に直径4mm程の小さな穴を開け、削ることなく推し進めます。そしてインプラント埋入。
Aさんは全くメスを使わず、ほとんど削ることもなく、ドリルも一切使わず、糸で縫うこともなく、約25分位で2本のインプラント手術を終えました。今回の手術において、通常のフラップ手術を行うと18cuの面積を開くのに対して、フラップレス手術では、わずか0.25cuと70分の1の面積しか歯肉のダメージがありませんでした。
Aさんにとって想像と全く違う楽な手術でした。Aさんの表情はさらに明るくなりました。その後、極度の恐怖症だったAさんは、歯科治療を受ける事に自身がつき、今でも明るい表情で通院しています。
|
治療前。上の歯を3本失ってしまったAさん |
|
歯肉パンチで、ハンコを押すようにして穴を開ける |
|
私の開発したオステオプッシャーにより、やさしくゆっくり押し進み穴を開けます。 |
|
オステオプッシャーによって開いた穴。
インプラントをゆっくり埋入。これだけで手術は終わりです(25分間) |
|
2ヶ月後には、きれいな歯が入りました。 |
|
治療後 |
|
【症例2】
Aさん以外のフラップレステクニックの症例です。いずれも手術は簡単で、血もほとんどでませんでした。
【症例3】
|